外来でよく相談される「咳のときの食事」
外来診療をしていると、咳でお悩みの患者さんから
「咳が出るときに、食べてはいけないものはありますか?」
という質問をよく受けます。
咳はとてもつらい症状ですので、「少しでも早く良くしたい」「日常生活で気をつけられることはないか」と考え、食事にも注意したいと思われるのは自然なことです。
今回は、咳が出ているときに控えたほうがよい食べ物と、比較的取り入れやすい食事の工夫についてお話しします。
咳が続いているときの体の状態
長引く咳がある方では、
空気の通り道である気管・気管支が非常に敏感になっている状態
になっていることが多くみられます。
このような状態では、ちょっとした刺激でも咳が出やすくなります。
そのため、気管・気管支を刺激しやすい食べ物は、症状が落ち着くまで控えることが大切です。
咳が出るときに控えたい食べ物
辛いもの
唐辛子などに含まれるカプサイシンは、咳を誘発しやすい成分として知られています。
咳が出ている時期は、香辛料の強い食事は避けたほうがよいでしょう。
酸っぱいもの
お酢や柑橘類などに含まれるクエン酸も、気管支を刺激し、咳を誘発することがあります。
さっぱりして食べやすい反面、咳が強いときは注意が必要です。
アルコール
アルコールには、気管支を収縮させる作用があります。
咳が長引いている場合は、飲酒は控えていただくことをおすすめします。
炭酸飲料
炭酸の泡が喉や気管支を刺激し、咳が出やすくなることがあります。
症状が強い時期は、炭酸飲料は控えめにしましょう。
脂っこい食事
脂肪分の多い食事は胃酸の分泌を増やし、
胃食道逆流症を引き起こす原因になることがあります。
胃酸の逆流は、咳を悪化させる要因の一つです。
食べ方にも注意が必要です
食べ物の内容だけでなく、食事の仕方も咳に影響します。
- 急いで食べず、ゆっくり噛んで飲み込む
- むせ込まないよう注意する
- 水分を適度にとり、喉を潤しながら食事をする
- 粉っぽい食事や香辛料の多い料理は避ける
これらを意識するだけでも、食事中の咳を減らせることがあります。
咳が出るときに取り入れやすい食事
温かい飲み物・スープ
温かいものを摂ることで、
気管支がリラックスし、咳が出にくくなる効果が期待できます。
はちみつを含む飲み物
はちみつには、咳を和らげる作用があるとされています。
お湯やハーブティーに少量加えるのも一つの方法です。
※1歳未満のお子さんには、はちみつは与えないでください。
ハーブティー
ハーブティーは、気管支をリラックスさせる効果が期待でき、
刺激が少ない飲み物として試してみてもよいでしょう。
食事だけで咳は治るのでしょうか
食事の工夫は、咳を和らげる助けにはなりますが、
食事だけで咳が完全に治るわけではありません。
必要に応じたお薬による治療と、生活習慣の見直しを組み合わせることで、
より効果的な改善が期待できます。
外来でよくある誤解
時々ある誤解として、
「食事を気をつければ、病院に行かなくてもよいのでは」
という考えです。
咳が長引く場合や、息苦しさ・痰・胸の違和感を伴う場合は、
食事だけで様子を見るのではなく、医療機関での相談が大切です。
まとめ:無理をせず、気になる症状は相談を
咳が出ているときは、
刺激の強い食べ物を控え、体にやさしい食事を心がけることが大切です。
ただし、症状が続く場合は、
一人で悩まず、医療機関で相談することをおすすめします。
日暮里・荒川区周辺でも、咳に関するご相談は多く寄せられています。
つらい咳が続くときは、早めの受診が安心につながります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断や治療を行うものではありません。
本文監修:ぜんそくと肺のクリニック 院長 井上 英樹 (呼吸器専門医・指導医、アレルギー専門医)








