咳について|病院を受診する多い症状の1つ
咳はありふれた症状ですが、日常生活に大きく影響しますので、辛い症状です。特に最近のコロナ禍におきましては、電車やバスなどの公共交通機関や職場、図書館や映画館で咳が出たりすると、周りの目が気になって困るという方も多いと思います。咳自体は、体の中に入った異物を外に出すという大事な役割があり、悪いものでは無いのですが、できる限り早く直したい症状ですよね。
咳の分類|咳が続いている期間で分類
咳診療をする上で、咳の種類は咳が持続する期間によって分類されます。
3週間未満の急性咳嗽、3週以上の遷延性咳嗽、8週間以上の慢性咳嗽と分類されます。咳の大部分は3週間以内に治まる急性咳嗽ですけれども、3週間以上咳が続く場合は、何かしらの疾患が隠れている事がありますので、一度医療機関を受診することをお勧めします。
3週間以上続く咳の原因として一番代表的なのが喘息となります。咳だけ出る喘息、咳喘息という疾患概念もあります。その他、逆流性食道炎や後鼻漏、副鼻腔気管支症候群なども咳の原因となります。最近は、新型コロナウイルス感染症にかかったあとに咳が長引くケースも見られます。咳の原因がはっきりしない場合は、心因性のストレスによる咳嗽を考えます。そして原因不明の慢性咳嗽というのも存在します。
咳の治療|一人一人の患者さんに合わせた治療が必要です
3週間未満の急性咳嗽の場合、胸部レントゲンで肺炎などの感染性疾患がないことを確認し、鎮咳薬や去痰剤の内服で経過を見て改善を待つことが多いです。3週間以上咳が続く場合は、呼吸機能検査などの詳しい検査を行った上で、吸入ステロイド薬や気管支拡張薬による治療を行うことがあります。丁寧に診察や検査を行った上で、患者さんの病状に合わせた治療が必要となってきます。
3週間以上咳が続く場合は、呼吸器専門医が在籍している医療機関をかかられる事をお勧めします。