喫煙は新型コロナウイルス感染症の重症化のリスク因子であることが明らかになりました。新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけにして禁煙を決意した方も多いと思います。JR山手線日暮里駅徒歩3分のぜんそくと肺のクリニックでは保険診療で禁煙治療を受けていただくことが可能です。これまでに自分で禁煙にチャレンジしたけど、うまくいかなかった・・・という方でも、禁煙外来を受診することで、禁煙の成功率を上げることができます。
喫煙は呼吸器疾患の大きなリスク
喫煙は、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクとなることは述べた通りですが、その他にも喘息の悪化因子でもあります。喫煙の後に、咳が悪化したり、喘息発作が起きたりします。喘息の悪化は他人が吐いたたばこの煙(副流煙)でも起こります。喫煙は肺気腫や慢性気管支炎である慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症因子でもあります。タバコの煙は肺胞の構造を破壊し、肺気腫の原因となります。喫煙は、悪性腫瘍である肺癌の発症リスクを高めることはみなさんご存じの通りです。難治性疾患である間質性肺炎についても喫煙が関与していることが指摘されています。
喫煙は呼吸器疾患に大きな影響を及ぼすことが明らかとなっています。呼吸器疾患以外にも、循環器疾患(高血圧、狭心症、心筋梗塞)や脳血管疾患(脳出血、脳梗塞)、糖尿病など他の臓器にも深刻な影響をもたらすことが知られています。喫煙は「百害あって一利なし」といわれるゆえんでもあります。
禁煙外来について
喫煙を長年続けている方が、タバコをなかなかやめられないのは自分の意志が弱いからだとか癖になっているからだと、思っている方もおられると思います。タバコがやめられない原因として、
「ニコチンに対する依存性が形成されている=疾患」
としてとらえることで、治療の対象となりました。これが、禁煙外来が保険診療として認められている理由の1つです。喫煙行動自体を一つの病気としてとらえて、それを医療従事者みんなで治療しようというのが、禁煙外来のコンセプトとなっています。
禁煙外来を保険診療で受けることができる条件
禁煙外来を保険診療で受けるためにはいくつかの条件を満たす必要があります。
- すぐに禁煙したいと考えている
- タバコ依存性スクリーニングテスト(TDS)が5点以上ありニコチン依存症と診断されること
- ブリンクマン指数が200以上であること(35歳未満の方は本数に規定なし)
*ブリンクマン指数:1日の喫煙本数×喫煙年数 - 禁煙治療に文書同意すること
- 過去1年間に保険診療で禁煙外来を受診していないこと
保険診療で禁煙外来を受けることができるのは1年に1回のみです(それ以外は自費診療となります)
禁煙外来の診療スケジュール
禁煙外来は、12週間のうち5回受診していただくプログラムとなっています。
【禁煙外来診療スケジュール】
1回目(0週):医師・看護師による問診・診察、喫煙状況の確認、呼気一酸化炭素(CO)測定、処方
2回目(2週目):医師・看護師による喫煙状況の確認・CO測定、医師の診察・処方
3回目(4週目):医師・看護師による喫煙状況の確認・CO測定、医師の診察・処方
4回目(8週目):医師・看護師による喫煙状況の確認・CO測定、医師の診察・(処方)
5回目(12週目):医師・看護師による喫煙状況の確認・CO測定、医師の診察
【処方】
ニコチネルTTS®を使用します(内服薬であるチャンピックスは現在出荷保留中です)。
最初の4週間はニコチネルTTS30を1日1枚貼ります。
その後2週間はニコチネルTTS20を1日1枚貼ります。
最後の2週間はニコチネルTTS10を1日1枚貼ります。
*合計8週間使用します。
禁煙外来の治療内容:禁煙補助剤とカウンセリング・コーチング効果
禁煙補助剤(ニコチンパッチ)
禁煙補助剤として、ニコチンパッチであるニコチネルTTS®の処方を行います。ニコチンを経皮的に吸収させることによって、血中のニコチン濃度を一定に保ちます。
そもそも、「タバコを吸いたい・・・」、という衝動は血中のニコチン濃度が低下することで引き起こされます。低下したニコチン濃度が喫煙で補われることによって、満足感が得られるのですが、これがニコチン依存性を作り上げる原因となります。これを1日に何回も、そして毎日繰り返されることによって、さらにニコチン依存から逃れられなくなるのです。
ニコチンパッチを24時間皮膚に貼り付けることで、血中のニコチン濃度を一定に保つことができます。ニコチン血中濃度の低下を和らげることで、「タバコを吸いたい」という衝動が少なくなります。これによって禁煙を助けることができます。
ニコチンパッチだけでは喫煙習慣は治らない:禁煙外来を通院する意味
ニコチンパッチは喫煙衝動を少なくする効果がありますが、喫煙習慣を直ちに消し去るものではありません。喫煙の癖をなくすために一番大事なことはご自身の「タバコをやめる」という意志です。タバコをやめるという意志があって初めて、喫煙行動を抑えることができます。
かといって、自分ひとりで「タバコをやめる」と決意しても、簡単には続かないのも事実です。禁煙を決意したその日にまたタバコを吸ってしまうこともあるでしょう。一人で禁煙を達成するのは非常に難しい、というのが現実です。それほど、ニコチンの依存性は強いものなのです。そこで、私たちの禁煙外来がお手伝いできることは、あなたと一緒に禁煙に取り組む仲間になるということです。
禁煙外来に通院するという行動自体が、ご自身の禁煙の決意そのものです。ご自身の費用と時間をかけて通院するわけですから、簡単に「禁煙はやめた」とは思わなくなります。そして、禁煙外来にお越しいただき、初めの診察で「禁煙外来を通院します」という意志を書面で頂き、再度その意思を確認します。計5回の通院のたびに、医師や看護師、医療事務が禁煙の状況を確認しますので、第三者にみられているというところから喫煙の抑止力が働きます。禁煙外来の受診時に毎回呼気CO値を測定するので、喫煙していることが客観的にわかってしまうのも、禁煙に効果的です。
「来週、禁煙外来の受診があるから、タバコはやめておこうかな・・・」と、タバコの火をつけるのを思いとどまっていただけたら、禁煙外来に関わるものとしてこれ以上のよろこびはありません。
禁煙外来を通院するメリットは禁煙補助薬が処方されるというだけではなく、喫煙をためらうようなきっかけを提供することで、より確実に禁煙につなげていく点が実は大切であるのです。
禁煙外来を受診していただき、禁煙が順調に進んでいれば、その努力をお褒めいたします。タバコを吸っていない人からすると禁煙するのは当然のことと思うかもしれません。しかし、当の喫煙者本人からするとそれは禁煙は大変な努力なのです。我々は、純粋にその努力を称賛しそれが継続できるよう励ましてまいります。そして、その状態を続けるためにはどのように生活習慣を変えていくか一緒に考えていきます。
ぜんそくと肺のクリニックで禁煙して、きれいな肺で心地よい呼吸を取り戻しましょう!
ぜんそくと肺のクリニックでは呼吸器の病気をお持ちの方の診療を日々行っています。喫煙をすることで呼吸器疾患になってしまう方もたくさんおられ、病気を予防するという点で、禁煙治療は非常に大切なことだと我々は考えています。
ぜんそくと肺のクリニックの院長は、日本禁煙学会の禁煙認定指導者の資格を有しています。禁煙外来を行うことは当クリニックの近隣である台東区上野、荒川区日暮里などの地域の皆様の健康増進のための大きな使命と考えています。また、JR山手線日暮里駅徒歩3分という好立地を生かして、東京都内23区や埼玉県や千葉県のお住まいの方にもご利用いただきたいと思っています。
コロナ禍や禁煙補助薬の出荷保留など禁煙治療を取り巻く環境は厳しくなっていますが、東京・日暮里のぜんそくと肺のクリニックでは引き続き禁煙治療に取り組んでまいります。
参考リンク
- 日本禁煙学会
- 東京都内の禁煙治療に保険が使える医療機関(日本禁煙学会)
- 日本禁煙学会禁煙認定指導者一覧(日本禁煙学会)
- 禁煙チャレンジ応援プラン(禁煙外来医療費助成)(東京都荒川区、荒川区民対象)