COPDとは
「COPD」について、聞いたことはあるが詳しくは知らない、という方が多いかもしれません。一方の、「肺気腫」という病気はタバコの吸いすぎで起こる肺の病気というイメージではCOPDよりも有名だと思います。タバコを若い時から吸っている方で、健診などでのレントゲン撮影やCT検査で「肺気腫がありますね」と言われた方は一定数おられるかと思います。
COPDの正式な英語名は、Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseといい、日本語の正式名称は慢性閉塞性肺疾患となります。慢性閉塞性肺疾患というと長いので、略してCOPDといいます。肺気腫はCOPDに含まれている疾患で、その他に慢性気管支炎もCOPDに含まれます。
COPDの原因
COPDはタバコ煙の喫煙によって、肺の構造である肺胞や気管支などが破壊される病気です。肺胞やその支持組織である間質がタバコ煙によって破壊されると、柱を失った家のように肺胞や気管支が潰れてしまいます。すると吸い込んだ空気が通れなくなる、つまり空気の通り道がふさがって(=閉塞して)しまいます。これが閉塞性肺疾患といわれる名前の由来です。
COPDの症状
COPDの症状としては、階段を上がったり早歩きをした時などの労作時の息切れが主なものです。その他に、咳や喀痰もCOPDの症状です。これらの症状は年単位でゆっくり進行するため、病気の初期の段階ではご本人も気付かない事が多いです。喫煙歴のある方で、息切れや咳、痰が治らない方はCOPDを疑う必要があります。COPDの検査としてはスパイロメトリーによる呼吸機能検査が重要です。1秒間に吐き出す空気の割合である1秒率が低下するのが特徴的です。
COPDの治療
COPDの治療薬としては、吸入薬が主なものとなります。吸入の長時間作用型気管支拡張薬や長時間作用型抗コリン薬がよく用いられます。よく誤解されるのですが、これらの薬を使ってもタバコによって傷ついた肺がもとに戻るわけではありません。あくまで残っている肺機能を生かす薬です。やはり禁煙をしてタバコによる肺のダメージをできるだけ少なくすることがCOPDの予防・治療として大事な点なのです。